Project/Area Number |
07771197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
浦川 正人 関西医科大学, 医学部, 助手 (80193960)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | サブスタンスP / カルシトニン遺伝子関連ペプチド / 滑膜細胞 / 慢性関節リウマチ |
Research Abstract |
サブスタンスP(SP)(10^<-6>、10^<-5>および10^<-4>M)は培養滑膜細胞の増殖過程において、培養開始14日以降のA細胞の増殖を促進し、B細胞の増殖を抑制した。この反応はニューロキニン-1(NK-1)受容体阻害薬であるGR82334(10^<-6>M)の処置によりほぼ完全に消失し、また、GR82334はそれ自身では両滑膜細胞の増殖速度に対してなんの単独作用も示さなかった。一方、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)(10^<-6>M)は、単独作用を示さず、SPの両滑膜細胞における増殖修飾作用を著明に抑制した。次に、培養開始7-14日後の滑膜細胞にSPを投与し、滑膜細胞における活性酸素産生反応をARUGS-50高感度カメラ装着顕微発光画像解析システムとルミノール発光法を用いて定量的、視覚的に測定を行なった。SP(10^<-6>および10^<-5>M)は培養滑膜細胞に対して活性酸素産生反応を濃度依存性に誘導したが、単一滑膜細胞当たりの活性酸素産生量はプロテインキナーゼC刺激薬であるホルボールエステル(PMA、10μg/ml)投与時の約10分の1であった。このSP誘発活性酸素産生反応はGR82334(10^<-6>)およびCGRP(10^<-5>M)の処置によりほぼ完全に消失した。加えて、SP(10^<-6>および10^<-5>M)を培養滑膜細胞に投与し活性酸素産生反応を誘導する際の細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]_i)の変化を、ARGUS-100高感度カメラ装着Ca^<2+>濃度測定システムとfura2-AM蛍光法を用いて測定した。培養滑膜細胞がSP(10^<-6>M)刺激により一過性の[Ca^<2+>]_i上昇を示した。これらのSP刺激により誘発された[Ca^<2+>]_i上昇を伴う活性酸素産生反応は、同様にGR82334(10^<-5>M)およびCGRP(10^<-5>M)の処置によりほぼ完全に消失した。 以上の結果により、関節滑膜の異常増殖とその滑膜細胞により産生される活性酸素によって生じる関節破壊において、神経終末から遊離されるSPはNK-1受容体に結合後、おそらくIP_3産生を介した細胞内Ca^<2+>濃度を引き起こし、NADPHオキシダーゼを活性化することにより活性酸素を産生しCGRPは生体内でこれを調節しているものと考えられた。これを制御することにより、慢性関節リウマチに対する知覚神経機構に立脚した新しい治療法が可能となることが予想される。
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