周術期における組織浮腫発生と細胞間質高分子ゲル構造変化に関する研究
Project/Area Number |
07771269
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
多田羅 恒雄 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30207039)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ヒアルロン酸 / 浸出液 / 手術侵襲 / 浮腫 / 細胞間質 |
Research Abstract |
手術侵襲による組織細胞間質構造の変化を検索する目的で、開腹手術中の患者血清および腹部浸出液中のヒアルロン酸濃度を測定した。対象は、胃切除術を施行された予定手術患者11例および腸閉塞による腹膜炎のため緊急に腸切除術を施行された患者4例であった。予定手術患者においては開腹後30分および3時間後に、緊急手術患者においては開腹時に、血清および腹部浸出液を採取し、ヒアルロン酸濃度を測定した。 〈結果および考察〉 予定手術患者においては、開腹30分後の血清および浸出液中のヒアルロン酸濃度は、24.0±22.0、5275±2002(μg/L)、3時間後の血清および浸出液中のヒアルロン酸濃度は、21.5±15.5、4206±1489(μg/L)であった。これら血清ヒアルロン酸濃度は正常範囲であり、血清および浸出液中ヒアルロン酸濃度の有意な手術中の経時的変化は認められなかった。緊急手術患者においては、開腹時の血清および浸出液中のヒアルロン酸濃度は、45.0±24.1、35450±10269(μg/L)であり、血清ヒアルロン酸濃度は正常範囲であったが、浸出液中ヒアルロン酸濃度は、予定手術患者に比べ高値を示した。これらの結果から、予定手術症例においては、手術中における組織細胞間質のヒアルロン酸構造変化は著明ではないが、高度の炎症を伴った緊急手術症例では、組織細胞間質からのヒアルロン酸の放出が増加していることが推察された。緊急手術症例では、腸管組織浮腫が著明であったことから、ヒアルロン酸放出による細胞間質ゲル構造変化と細胞間質浮腫の関連が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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