妊娠中毒症におけるヒト胎盤aromataseとestrogen2-hydroxylation活性の特性について
Project/Area Number |
07771407
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大久保 和俊 昭和大学, 医学部, 助手 (10266132)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 妊娠中毒症 / Aromatase / Estrogen2-hydroxylation |
Research Abstract |
estrogen2-hydroxylase (2-OHE)はestrogenの代謝酵素として知られ、ヒト胎盤においてはestrogen合成酵素であるaromatase (AR)がその活性を有すると報告されている。我々は、ヒト胎盤性ARの多様性と病態との関係を検討していくために、高血圧を主徴とする妊娠中毒症と正常妊娠例の胎盤を用い、ARと2-OHE活性の特性について以下の実験を行い、後述する結果を得た。 (1)正常妊娠例(n=7)と妊娠中毒症(n=7)の胎盤を酵素源として、アイソトープを基質としたインキュベーションにてAR、2-OHE活性を測定し、同一胎盤中の活性の比率を比較検討した。また、妊娠中毒症を伴わないIUGR症例(n=3)の胎盤も比較のために測定を行った。 (2)正常胎盤と妊娠中毒症胎盤それぞれにおいて両酵素活性の特性について検討するために、抗P-450ARモノクローナル抗体であるMAb3-2C2を用い、AR及び2-OHE活性の抑制実験を行った。 【結果】 (1)各々の胎盤中のAR活性には有意差は認めなかったが、2-OHE活性においては妊娠中毒症の活性は他の二者に比し有意に高値であった。 (2)正常胎盤においてはMAb3-2C2添加(100μg, IgG)の結果、AR活性と2-OHE活性は共に約80%の抑制を受けた。一方、妊娠中毒症胎盤においてはAR活性に関しては同様の反応を示したが、2-OHE活性は約40%の抑制を受けるにとどまった。 以上の実験結果より、妊娠中毒症胎盤においては2-OHE活性はARのみが担う反応ではなく、他の誘発されたcytochrome P-450が関与している可能性が示唆された。 これまで、MCF-7などのヒト乳癌細胞では誘発された2-OHE活性の報告があり、今後妊娠中毒症胎盤で誘発された可能性のある2-OHE活性を担うcytochromeP-450の精製や特性を検討中である。また、妊娠中毒症の発症機序とcatecholamineの関係については、HPLCを用いた臍帯血、母体血、羊水中のcatecholamine濃度の測定、インキュベーションを用いた胎盤中のCOMT活性の測定を現在検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)