Research Abstract |
対照:A群:リハビリテーション病院入院高齢患者で,日常生活動作能力の低下がみられ半介護状態のもの。基準として歩行及び食事のADL評価がともに評価2(つかまり歩きは可能でスプーンを用いれば一人で食事はできる)以下であり、口腔内清掃及び可撤性義歯の洗浄は介護者の手を借りなくてはできない者とする。B群:リハビリテーション病院入院高齢患者でいわゆる「寝たきり老人」状態の者。日常生活動作能力は著しく低下しており、基準として,歩行及び食事のADL評価を用い歩行,食事ともに評価1(歩行は不可能で,食事はスプーンを用いても一人ではできず半介助)以下であり、かつ口腔内洗浄及び可撤性義歯の洗浄はほとんど介護者の手を借りているもの。 方法:A群,B群とも,パラフィン咀嚼刺激唾液を3ml〜5ml採取する。唾液の分泌の少ないもの、高次精神機能障害などで唾液採取の困難なものは、ロールワッテとディスポ-ザブル・シリンジを用いて採取するか、もしくは減菌蒸留水にて含嗽もしくは口腔内洗浄を行いその洗浄液を採取し、微生物の定量培養を行う。カンジダの培養はOrion社製Oricult-Nにて行った。 結果及び今後の展開:唾液もしくは口腔内洗浄液を培養した結果、好気性菌の総菌数は概ね9.5〜1.0×10^7CFU/mlの範囲内であった。嫌気性菌の総菌数はかなりのばらつきが見られた。又寝たきり状態の者は、唾液の採取が困難であった。義歯を使用の有無にかかわらずカンジダの検出率は高かった。今後、残存歯数、服用薬剤、食事形態、義歯の使用状態、基礎疾患等とお関連について検討をしていく予定である。
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