Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Research Abstract |
酵母の液胞膜に局在するシンタクシン関連蛋白質,Vam3pは構造上,同じく液胞へのタンパク輸送に機能するPep12pと高い相同性を有する.しかしながら,突然変異株の表現型は大きく異なる.まず,この点を明らかにするため,酵母のPEP12遺伝子をPCR法を用いて単離し,その遺伝子破壊株を作成し,その表現型の解析を行った.さらに,Pep12pの細胞内局在,タンパク質レベルでの解析を進めるため,抗Pep12p抗体を作成した. vam3変異株は多数の小胞様の構造を蓄積するが,pep12変異株は大きな液胞をもつ.また,vam3変異株は液胞タンパク質carboxypeptidase Yを細胞外に誤輸送せず,液胞膜タンパク質alkalinephosphataseの成熟化に欠損を示す.一方,pep12変異株はcarboxypaptidase Yを細胞外に誤輸送する一方,熟成型alkalinephosphataseをもつ.この対照的な表現型は,Vam3pとPep12pが似た分子であるが相互に異なる機能を担っていることを示している.そこで,pep12とvam3の二重突然変異をもつ酵母を作成し,その表現型を解析した.驚いたことには,この株は液胞と認められる構造体を持たなかった.さらに,液胞タンパク質の挙動を調べたところ,熟成型carboxypeptidase Y, alaklinephoshataseの両者を欠損しており,液胞コンパートメントを欠くことが形態的,生化学的に示唆された.このことは,これまで考えられていた液胞形成のモデルの修正をせまるものである.
|