フェニキア文化が初期ギリシア文化およびポリスの成立に及ぼした影響について
Project/Area Number |
07801052
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
安永 信二 九州産業大学, 国際文化学部, 助教授 (20210271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 美比古 九州産業大学, 芸術学部, 助教授 (60098770)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 暗黒時代 / 神域 / 屋外の祭壇 / フェニキア人 / キプロス / ヘライオン(サモス) |
Research Abstract |
本研究は、前9〜前8世紀のギリシアに与えたオリエントの影響がいかなるものであったかを探ることを目的とし、その方法として神殿建築、陶器、ブロンズ製品、神話や英雄叙事詩の調査を行なうものであった。本年度は、とくに神殿建築についての研究に重点を置き、ギリシアに出現した神域がいかなる特徴を有するかを見た次第である。 ギリシア初期の神域には、(1)祭祀と日常生活に兼用された首長の住居(ニホリア等)、(2)フェニキア人が作ったクレタ島南岸の神殿(コモス)、(3)屋外の祭壇を中心とする神域(サモス等)、のく少なくとも3種の形態が存在することが知られている。このうち(2)はフェニキア人の活動を知る上で注目すべき遺跡であるが、本年度は(3)に焦点を当ててみた。この結果、サモスのヘーラー神域では神殿が建立される以前に屋外の祭壇と聖木を中心とする祭祀が行われていたが、これとほぼ同じ形態の神域が青銅器時代と鉄器時代のキプロスに見られること、また考古学的には証明されていないものの、ミノア/ミケ-ネ時代にも木や祭壇を持つ屋外の神域が存在したことが出土品からうかがうことができた。これら三者がどのような関わりによって繋がっていたかについては、今年度の研究では明らかにすることはできなかった。しかし、この関係にギリシア人とフェニキア人が相互に乗り入れたキプロスが重要な役割を果たしたことは疑いのない事実であり、今後キプロスの神域形態をテーマとして本研究を継続していくつもりである。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)