新「住所地型」相続税条約の我が国の相続税への適用可能性
Project/Area Number |
07852004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public law
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐藤 英明 神戸大学, 法学部, 助教授 (60178762)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 日米相続税条約 / 所在地型条約 / 住所地型条約 / 相続税の制限納税義務者 |
Research Abstract |
(1)アメリカの連邦遺産税と比較した場合、現在のわが国の相続税の下での非居住者への相続税は、無制限納税義務者たる居住者の場合ときわめて相違点が少ないという特徴が浮かび上がってくる。これは諸控除等の適用に関して顕著であるが、その他、日本の相続税負担がかなり重いことを考えると、租税回避に対応する規定等を整備する必要が強調される。 (2)日本が現在結んでいる唯一の相続税条約であるいわゆる日米相続税条約は、相続される財産の所在を条約によって細かく決定し、それをもとに両国の課税権を決定していくという発想にもとづく所在地型条約である。しかし、1970年代以降は、被相続人の住所地をまず決定し、それをもとに各国の課税権の範囲・内容を決定していく住所地型条約が、国際的には一般化してきている。 (3)わが国のように相続人の住所地によって制限納税義務者と無制限納税義務者とを区別する相続税法を有する国が、アメリカのように被相続人の国籍および住所地によって両者を区別する遺産税制の国と、住所地型条約を締結する場合には、相続人等に無制限納税義務を課す国がない場合が生じる可能性や、一見対等に見える条約により、わが国の課税権が実際上大きな制約を被る可能性が存在する。後者の問題を回避するためには、国内法において、特別な場合には、被相続人の住所地が日本である場合にも相続人に無制限納税義務を課す制度を設けることが必要であるが、そのような対処を行なうにあたっては、わが国の相続税法が遺産取得税という考え方にもとづいていることとの関係で、慎重な検討が必要である。
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Report
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Research Products
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