Project/Area Number |
07854049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生態
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 顕 九州大学, 理学部, 助手 (90211937)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 環境変動 / 量的形質 / 遺伝分散 / 連鎖不平衡 / 進化的安定戦略 / 表現型多型 / 遺伝的多型 / 種分化 |
Research Abstract |
ランダムな環境変動にさらされる生物にとって、親個体が子の表現型を多様化することがリスクを分散させるうえで有効であることが知られている(両賭け戦略)。また、遺伝的・発生的制約などによって同一の親から多様な表現型をうみだせない場合、さまざまな環境に特殊化した遺伝子型が集団中に維持されることが期待される(遺伝的多型)。ここでは、進化的に安定な表現型・遺伝子型分布について理論的に解析し、以下のような新しい知見を得た。 (1)ランダムに変動する環境によって多様な表現型が維持されるためには、世代重複などによるストレージ効果がなければならない。 (2)変動淘汰によって維持される量的遺伝分散-多数の遺伝子座によって支配される量的形質が変動淘汰をうけるとき、環境変動の幅がある閾値を越えると、正の遺伝分散が安定に維持される。これは、環境変動が大きいとき、どのような遺伝子型も単独では進化的に安定な集団を維持できないことを意味する。集団に維持される遺伝分散は、環境変動幅とともに増加するが、変動の程度が大きくなるほど、連鎖平衡からのずれ、およびハ-ディ=ワインベルグ平衡からのずれによる遺伝分散成分の重要性が増す。 (3)進化的安定集団における遺伝子型の分布は連続ではなく離散的になる(つまりとびとびの形質値だけが集団を構成する)という結論が一般的に成立する。 これらの結果の一部はEvolution(1995),Theoretical Population Biology(in press)に発表された。なお、このモデルのアイデアを、種分化のモデル、種内競争による樹高・体サイズの進化、寄生者の病原性と宿主抵抗性の共進化などに応用することにより、進化の離散性を示す結果を得つつある。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)