Research Abstract |
ヒト大腸癌細胞株4種類(C1,C1/FU,C4,H716)は,5%CO2の環境下で10%仔牛血清加RPMI-1640,2mMグルタミン添加にて培養した.各細胞株のdoubling timeは,25,26,24,28時間であった. 薬剤感受性試験は,96穴マイクロプレートを使用し,MTTassayにて検討した.接触させる5-FUの濃度は,0.03μMから1mMまでの濃度範囲でhalf-log毎に10段階設定した.5-FU単独96時間接触時の各細胞株の5-FUに対するIC50は,C10.8,C1/FU 1.2,C40.7,H716 100μmであった.C1,C4は,5FUに対して感受性株であるものの,H716は,5FU自然耐性であった.感受性株であるC1に連続して5-FUを接触させて獲得耐性株C1/FUを作っていたが,前記のごとく耐性が弱くなり,親株とほぼ同等の感受性株に戻っていた. verapamil,dipyridamol,methotrexate,ara c, leucovorin, thymidine, IL-2, IFN-α, N-1379, etc,によるbiomodulationを検討した.dipyridamol, leucovorin, N-1379による5-FUの抗腫瘍効果の増強効果を認めた.また,thymidine添加においては5-FUの抗腫瘍効果を減弱した. Thymidylate synthaseのbinding assay, DNA,RNAへの5-FUの取り込みの測定,HPLCを用いた5-FUの細胞内代謝産物の測定、核酸合成酵素・代謝酵素の測定および葉酸プールの分析については,時間的制約の面から今年度の研究には間に合わなかった.次年度以降の検討事項としたい.
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