稠密GPS網を利用した地震に伴う電離圏擾乱に関する研究
Project/Area Number |
07F07039
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
日置 幸介 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ASTAFYEVA Elvira 北海道大学, 大学院・理学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 電離圏擾乱 / GPS / 千島地震 / 十勝沖地震 / 地震前兆 / 震源過程 / 全電子数 / 大気波動 / 前兆 |
Research Abstract |
地震時の地殻変動や、震源から伝播するレーリー波や津波などが電離圏に擾乱をもたらすことが最近知られるようになった。そのメカニズムは地表で励起された音波や内部重力波が電離層に達して電子密度の不均一をもたらしたものと想像されているが、正体はいまだ研究の途上にある。本研究の目的は、これまで少数のGPS受信機を用いて断片的に観測されてきたこれらの電離層擾乱の全貌を、我が国の稠密GPS網を利用して系統的かつ地球物理学的に明らかにするものである。特に地殻変動やレーリー波による地殻上下運動や海水の上下運動が、音波や内部重力波を経て300km上空で電子密度の濃淡に至る物理過程の解明を行う。また低緯度地域で発生する地震に関して地震前数日から電離圏の赤道異常の様子に変化が生じることが報告されているが、本研究ではそれらについてもGPSデータや全球電離圏モデルの解析から事例を収集する。 平成19年度は,1990年代半ば以降の日本国内で発生した比較的大きな地震前後のGPS生データを可能な限り収集し、さらに解析ソフトを開発することによって今後の地震と電離圏擾乱の研究の準備を行った。平成20年度は、それらを用いて1994,2006,2007年に千島列島で発生したメカニズムの異なる地震による擾乱波形の違いや、伝搬速度の時間空間的変化などに関して研究を進め、震源過程の違いにより擾乱波形が異なることを見いだし、査読付きの英文誌で発表した。 また磁気嵐による全電子数の乱れを衛星搭載GPS受信機でとらえる研究を行い、いくつかの英文雑誌で発表した。この研究に関して,COSPARより優秀な若手研究者として表彰され("Outstanding Paper Award for Young Scientist")、2008年夏のCOSPAR学術総会で受賞講演を行った。また従来地震前兆として公表されていた地震前の全電子数変化のかなりの部分が、太陽-地球系の変動による見かけのものであることを見いだして、英文誌で公表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)