Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
平成20年度は,ジメチルアルミニウムハイドライドと酸素を原料とする酸化アルミニウム薄膜形成について検討を深めた。まず,薄膜の屈折率,残存炭素濃度,界面酸化膜形成状況などから,最適な製膜条件を検討した。放射光分析を用いた解析により,酸化アルミニウム薄膜のエネルギーギャップと,伝導帯・価電子帯のバンドオフセットを評価したところ,エネルギーギャップは7.2eV,伝導帯オフセットは2.8eV,価電子帯オフセットは3.3eVと求まった。これらの値は既往の報告と一致するが,価電子帯オフセットのみ異なる。これは,今回作製した薄膜に,原料ガスに添加されているプロピルアミンより窒素が混入したためであると考えられる。この窒素の含有量を制御できれば,価電子帯オフセットも制御可能と思われ,残る研究期間内に検討を深める予定である。 また,最適条件にて作製した酸化アルミニウム薄膜のCV/IV特性の評価を行った。作製直後の薄膜は,CV測定にヒステリシスが現れ,可動イオンが薄膜中に存在する可能性を示唆した。水素を含むフォーミングガス雰囲気下でのアニールと,酸化雰囲気下でのアニールを行い,電気特性の評価を行ったところ,フォーミングガスアニールにより,ヒステリシスの消失,リーク電流の大幅な低減が可能であることが分かった。酸化雰囲気下でのアニールもリーク電流低減などに効果的であったが,界面酸化層の形成による静電容量の低下,フラットバンド電圧のシフトなどが観測され,結果としてフォーミングガスアニールが,本酸化アルミニウム薄膜を改質するのに適したアニール手法であることが分かった。また,製膜方法として原料のパルス供給を行う手法も検討し,ヒステリシスの低減などに効果があることを確認した。今後,これらの検討結果をもとに,本手法による酸化アルミニウム薄膜の高誘電率ゲート絶縁膜としての応用を検討する予定である。
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