気候変動と人間活動を考慮した総合地下水シミュレーションシステムの開発
Project/Area Number |
07F07117
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
水工水理学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
沖 大幹 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HE Bin 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 陸面水文植生モデル / 河川流路網および流化モデル / 窒素循環 / 河川流路網及び流下モデル |
Research Abstract |
以下に、本研究の実施状況とその成果について詳細に記す。 (1)広域平野部で観測された水文・気象データに基づいて地下水変動および水収支を検討し、水循環を解析した。広域平野内での地下水流動や水利用のみならず、同平野の気象特性、背後地河川の流出・流況特性を解析して、流域全体としての水循環および水収支特性を総合的に明らかにした。さらに、農業・工業・上水道用揚水ポンプの稼働実績、渇水時における取水制限実態、あるいは河川水利用の実態など、解析に必要な様々なデータを収集した。そして、収集・推計された河川からの流入量、平野内での地下水位、農業・工業・上水道用水の利用量および気象データを基に、平野内の地表水・地下水を含む水循環モデル、背後地流域の流出モデルを包含した総合的モデルを構築し、降雨・地表水・地下水の合理的な利用計画を提案した。 (2)中国内蒙古自治区黄河流域の河套潅区における高度な水利用・管理を実現するための基礎として、河套潅区の潅漑畑地の蒸発散量を測定し、空気力学式に基づいて構築した蒸発散モデルをSPACモデルに組み込み、衛星データを利用して河套潅区における蒸発散量の分布を推定した。これらの研究成果は、これまで定性的に評価されてきた潅漑畑地の公益的機能を、現地での実測データに基づいて明らかにし、その定量的な評価の方向性を見出して、地球温暖化等に伴う異常気象、都市化や森林伐採等による土地利用の変化などによる洪水災害や渇水災害などが懸念される中で、地域規模さらには地球規模での環境管理施策を確立するためにも、極めて有用な情報を提供した。 (3)東アジアを対象に、窒素負荷に関する水質プロセスとその影響を把握するために、農業・畜産・自然・生活排水・工業排水を負荷源として個別に負荷量を推定した。20世紀におけるグローバルな陸面エネルギー水循環データセットを陸面水文植生モデルであるMATSIROと全球河川流路網及び流下モデルであるTRIPの外力として利用し、大陸スケールの陸面窒素循環シミュレーションを行った。データ整備については、東アジアを対象に精度の高いデータベースを作成することを主用な目的とし、窒素モデル研究を行う上で、最も重要な作業であるインプットデータの整備を行った。特に、人口・土地・社会統計などは、フォーマットが統一されないことが多いため、インプットデータとして整備するのに多大な時間と労力を必要とした。本研究で整備した総合データベースは、今後、ほかの研究者が容易に使用することが可能である。モデル開発については、研究代表者沖大幹グループがこれまで使用しているTRIPのコンポーネントを、水質に関する可能な部分について移植した。これらにより、東アジアの窒素負荷分布と日単位の窒素変動のシミュレーションを示し、また、それぞれの負荷が、各地域でどの程度のインパクトを持っているのかを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)