イスラム社会における女性のエンパワメント:バングラデシュ版母子手帳の展開を通じて
Project/Area Number |
07F07188
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Area studies
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 安秀 Osaka University, 人間科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BHUIYAN Shafi 大阪大学, 人間科学研究科, 外国人特別研究員
BHUIYAN Shafi Ullah 大阪大学, 人間科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 公衆衛生学 / バングラデシュ / 母子健康手帳 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
Research Abstract |
本研究は外国人特別研究員であるBHUIYAN Shafi Ullahとの共同研究である。本研究では、イスラム社会の妊産婦や乳幼児を持つ母親に対して、母子健康手帳を通じて知識の向上を図り、行動変容を促すことが、女性の権利や子どもの権利の向上につながり、ひいてはイスラム社会で暮らす女性のエンパワメントにつながる可能性を明らかにすることを目的とした。 すでに外国人特別研究員が作成したバングラデシュ版母子健康手帳の改訂版の開発を行った。その後、ダッカ近郊のGazipur郡Pubail村(Union)において、本研究により開発されたバングラデシュ版母子健康手帳を配布し、介入前と介入後の母親の知識、意識、行動変容について、質問紙調査(192名の母親)およびフォーカス・グループ(FG)調査を実施した。 妊娠中のケアについて正しい知識を持つものは79%とベースライン調査(40%)に比較して著明に増加した。保健医療関係者に対する態度の変容も見られ、57%が妊娠中のケアについて良好な結果を示し、小児ケアにいたるまでほぼ50%以上の満足度を得た。妊娠中の検診回数は3回(23.0%)、4回(60.2%)と、母子健康手帳の導入により飛躍的に受診回数が増加した。母子健康手帳の導入により、母親の知識・態度・行動に大きな変容が見られ、バングラデシュの農村部においても家庭用記録として母子健康手帳の有用性が明らかとなった。 本研究結果は、日本国際保健医療学会、第6回母子手帳国際会議などで発表され、その映像がNHKテレビで放映されるなど、一般市民やメディアに対して母子健康手帳の意義を発信した。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)