Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Research Abstract |
リモートセンシングの技術を使って衛星データを解析し,マサイ・マラ地域における経年的な土地利用変化を地図化(可視化)するとともに,変化をもたらした要因を社会経済的データから定量的に探った.また,航空写真から,マサイ・マラ地域の野生動物人口を推定し,その経年変化(1975-2007)を追った.さらに,GISによるジオシミュレーション技術を駆使して,土地利用の変容プロセスとそのメカニズムの解明を試みた.さらに,共同で実施したエコツーリズムの発展と地域生態系の変化に関する地域調査(フィールドワーク),具体的には,景観観察,インタビュー調査,聞き取り調査,アンケート調査の成果にもとづき,現在生じている生態系の変化やエコツーリズムの実態を明らかにした.マサイ・マラ地域では,野生動物人口が劇的に減少していることがわかった.野生動物の生育範囲は年々狭められている.これらの主たる原因は,観光客の流入(ホテルの立地),農地の拡大(トウモロコシや小麦など)とそれに伴う森林伐採である.特に草地を無秩序に走行する観光サファリーは環境破壊の元凶である.持続的な環境を維持するためには,野放しの観光行動を規制するとともに,ホテルの立地を制限する法律の制定が必要である.また,トウモロコシ栽培など大規模な商業的農業の抑制も喫緊の課題となっており,迅速な政策的対応が求められる. 本研究では,観光サファリーが環境悪化にどのような影響を与えるか,そのプロセスを解明することによって,この地域で今後どのような施策をとるべきか,将来の課題を明らかにすることができた.研究の成果は,国際学術誌(Remote Sensing)に投稿し,受理された.
|