Project/Area Number |
07F07451
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡野 栄之 Keio University, 医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RENAULT Mihara Francois 慶應義塾大学, 医学部, 外国人特別研究員
RENAULT-MIHARA F. F. 慶應義塾大学, 医学部, 外国人特別研究員
ルノーミハラ フランソワ 慶應義塾大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 星状膠細胞 / 脊髄損傷 / 細胞移動 / 再生医療 / 神経科学 / アストロサイト |
Research Abstract |
脊髄損傷後には、受傷直後の機械的損傷である一次損傷と、それに引き続いて起こる出血や炎症、浮腫による二次損傷の、二段階の損傷が存在する。二次損傷の際に集積する炎症性アストロサイトによって形成されるグリア瘢痕は、損傷周囲に形成され、脆弱な損傷組織の補強や破綻した血液脳関門の修復に寄与する。このグリア瘢痕は神経の再生軸索が通過できず、機能回復を遅らせる阻害因子の一つと考えられていたが、反応性アストロサイトが修復を促す役割を担い、損傷後の機能回復に有利な側面も持つことを我々は報告した。反応性アストロサイトはSTAT3を介して活性化され、脊髄損傷後の炎症性細胞の浸潤を妨げていることから、我々は反応性アストロサイトでSTAT3の発現を欠失させた動物由来の初代培養細胞を用い、STAT3シグナルが損傷後のグリア瘢痕の縮小化やアストロサイトの移動性獲得に必須であることを本課題において明らかにした。さらにアストロサイトの移動性獲得こそが脊髄損傷の二次損傷を最小限に留める大きな要素であることが明らかにし、さらにSTAT3シグナルに関連する幾つかの下流因子の同定に成功した。下流標的因子の一つを欠損した動物のアストロサイトを用いた解析により、STAT3シグナル下流カスケードにおいて重要な標的が複数同時に存在することが示唆され、現在その同定と検証を進めている。また、脊髄損傷後の生体内でのアストロサイト移動活性化メカニズムを解明するための実験を行い、実際の脊髄損傷後のメカニズムとしての妥当性を確認している。 またこれまでの解析に並行して行われていたアストロサイトの移動性の新規評価系の立ち上げに成功し、現在、脊髄損傷治療効果の期待される幾つかの新規薬剤のアストロサイト移動性に対する効果を検証し、脊髄損傷治療薬としての可能性を模索している。
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