Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Research Abstract |
壁乱流における摩擦抵抗は同じレイノルズ数の層流に比して格段に大きいが,これは壁面近傍のレイノルズせん断応力に起因することが数学的に示されている(FIK恒等式;Fukagata et al.,Phys.Fluids,2002).したがって,乱流摩擦抵抗を低減させるには,壁面近傍のレイノルズせん断応力を低減させれば良い.本研究ではこのアイデアを,壁面の変形によって実現する.本研究により,フィードバック制御に比して大幅に単純で制御効果も大きく,実用化可能性も高い乱流摩擦抵抗低減デバイスを開発できることが予想できる. 本年度は2次元チャネル層流を取り上げ,この壁面にぜん動運動を加えたものと,これと同じ速度を持つ吹出し・吸込み速度を持つ壁面進行波を加えた系の数値シミュレーションを行い,その摩擦抵抗低減効果を比較した.どちらの場合にも通常のポンプによる流量がゼロで一方向の流速が得られ,これは摩擦抵抗低減というより壁面からのポンピング効果であることが説明された.また,ぜん動運動と吹出し・吸込みでは誘起される流れが逆方向となることが示され,その機構が弱非線形理論を用いて境界条件を展開した際に現れる2次の項の影響であると説明された,また,通常のポンプ動力と制御に必要な動力の和の観点から抵抗低減効果を再定義し,層流に対して壁面のぜん動運動あるいは進行波状吹出し・吸込みを行った場合には,同じ流量を得るための制御エネルギーが大きくなることが示された.またその制御動力に対するレイノルズ数の影響はぜん動運動と進行波状吹出し・吸込みでは異なる傾向になることが分かり,これらより既存の吹出し・吸込みを用いた乱流の3次元直接数値シミュレーションの結果はそのまま進行波状壁面運動デバイスの設計には用いることができないことが結論づけられた。
|