支持塩を用いない新規電解システムの開発と有機電解合成反応への応用
Project/Area Number |
07J00042
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀井 大輔 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | マイクロリアクター / 有機電気化学 / 電解合成 / 支持塩フリー / 混層流 |
Research Abstract |
有機電解合成において反応溶液に大量に加えられる支持塩(支持電解質ともいう)の存在は、グリーンケミストリーの観点から決して望ましいものとは言えない。 このような問題に対し、本研究は支持塩を全く用いない新規有機電解システムの開発を目的とし、電解セルの設計から実際の有機電解反応まで行おうとするものである。 これまでの研究において、有機電解合成の支持塩の問題を解決するために、フロー式の薄層電解セルを作製し、種々の有機化合物の電解メトキシ化ならびに電解アセトキシ化反応を支持塩を用いずに実施したところ、所望の電解反応を円滑に行うことができ、目的の化合物を中程度から良好な収率で得ることに成功している。そこで、本システムのさらなる汎用化を図るために大量合成を指向して、三つの薄層電解セルを積層させたフローセルを作製し、フランの電解メトキシ化反応を実施した。その結果、一つのフローセルを用いたときの3倍の収量を得ることができ、このシステムの汎用性を高めるとともに大量合成の可能性を示すことができた。 次に薄層電解セル内の混層流を利用した電解システムの開発を行った。その結果、マイクロ流路中での混層流を利用することにより、求核剤の陽極での反応を抑制し、基質を選択的に酸化することに成功した。さらに、電解媒体にイオン液体を用いることにより、陽極で発生したカチオン中間体を室温付近においても安定化し、カチオン中間体をほとんど分解させることなく求核剤と反応させ、所望の生成物を高収率で得ることにも成功した。 これらの研究において得られた結果は、電解反応における支持塩の必要性を覆す画期的な方法または陽極置換反応が内包する問題を簡便に解決する画期的な方法であり、今後、有機電解反応の汎用化ならびに環境調和性の向上に大きく貢献するものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)