Project/Area Number |
07J00044
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Reaction engineering/Process system
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
浅見 亮介 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 求核置換反応 / 超音波 / イオン液体 / 有機電解 / 炭素カチオン / エマルション |
Research Abstract |
有機化合物の陽極酸化反応による炭素カチオンの生成を利用した求核置換反応は、有機電解合成における基本的な反応の1つであり幅広く利用されている。一般に、炭素カチオン中間体は不安定で容易に分解するため求核剤等の存在下に発生させ系中で即座に反応させなければならない。ところが、電解酸化反応の条件下では共存可能な求核剤種が電位という因子により大きく制限されてしまう。すなわち、炭素カチオン前駆体である基質よりも酸化電位が低い求核剤種の使用は不可能となる。特に炭素求核剤は酸化され易いものが多いため、系中に求核剤が共存する場合、このものの酸化が優先的に進行し所望の炭素-炭素結合形成反応を行うことは困難となる。 これに対して本研究では、求核剤の酸化電位に影響されない新規陽極置換反応システムの開発を目的に据え、超音波乳化法および2相系電解法の両者を併用した電解システムの構築について検討を行った。 求核剤とこのものが不溶であるイオン液体から構成される2相系の電解液を用い、リニアスイープボルタンメトリーを行ったところ、求核剤の酸化を抑制しつつ基質を優先的に酸化できることが明らかとなった。そして、上記の系を用いマクロ電解を実施したところ、超音波乳化法によるエマルション形成を利用することで、生じた炭素カチオンと求核剤(液滴)との反応が効率良く進行し目的生成物を高収率で得ることに成功した。さらに、本システムでは反応生成物が電極反応に不活性な求核剤液滴内に取り込まれるため、生成物の過酸化が抑制されていることも示された。 本電解システムは、電位という因子によって実現しなかった反応基質と求核剤との組み合わせによる陽極置換反応を、ワンポットかつ温和な条件下で行うことを可能にするものであり、有機電解合成における新たな方法論として今後の発展が期待される。
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