Project/Area Number |
07J00217
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 光秀 The University of Tokyo, 農学生命科学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 有機鉄配位子 / 海洋基礎生産 / 植物プランクトン / 摂食 / 再生 |
Research Abstract |
植物プランクトンまたは従属栄養性細菌の濃縮液を現場表層海水に添加し、暗下で培養を行ったところ、2、3日の間に微小ながら(〜0.2nM)溶存鉄濃度の増加がみられた。これにおいてさらに重要なのは鉄の化学的形態、すなわち配位状態である。これにあたっては、滴定の競合配位子としてジヒドロキシナフタレンを用い(van den Berg,2005)、旧来の方法と同程度の測定感度を保ちながら測定時間を大幅に短縮することに成功した。この方法により測定を進めた結果、2、3日の間に一部のサンプルで有機配位子濃度増加も確認することができた。これにより、摂食に伴って消費された植物プランクトン生物量に応じた有機鉄配位子の海水への放出が再び強く示唆されたが、鉄制限海域のような植物プランクトン生物量が比較的低い海域において現場での有機鉄配位子濃度の生成速度を正確に見積もるためには、さらに高感度かつ高精度の測定手法の確立が必須であることも明らかになった。海水中からウィルス粒子を濃縮する方法の検討および有機配位子の光分解性の測定実験については、現在進行中である。これらは、有機配位子を介した海洋における鉄の生物循環の各過程を解明する上での重要な一歩となると考えられる。 また、これまでの研究成果のうち、微小動物プランクトンによる濾水速度を見積もる新たな手法の提案に関するものおよび植物プランクトンに対する摂餌に伴う有機鉄配位子の放出を初めて確認した報告を研究論文として発表することができた。
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