Project/Area Number |
07J00252
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 博行 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 光合成 / 光化学系II / FTIR / 水分解系 / シアノバクテリア / 水分解反応 / 振動分光 / 酸素発生反応 / 光化学系 / 酸素発生系 |
Research Abstract |
光合成水分解反応は、光化学系II蛋白質に結合した金属クラスター上で触媒され、5つの中間状態(S0-S4)の光誘起サイクルにより進行することが知られているが、その構造や反応機構の詳細は未だ明らかとなっていない。本年度では、1)基質水分子の分解過程、2)触媒部位の構造に関する知見を得るために、フーリエ変換赤外(FTIR)分光法及び、部位特異的変異導入法を用いて研究を行った。 1)基質水分子の分解過程: これまで検出が困難であった水分子の変角振動シグナルを、重水置換を施した試料を用いることにより、世界で初めて検出した。そのシグナルを詳細に解析したところ、どの遷移においても少なくとも2分子の水が水分解反応に関与していることが明らかとなり、さらに、基質水分子が、蛋白質中の水クラスターから、S2→S3,S3→S0遷移において触媒部位に取り込まれることが強く示唆された。 2)触媒部位の構造: 触媒部位近傍のD1-His332及び、CP43-Asp354に部位特異的変異を導入し、これらの変異試料について、FTIRによる解析を行った。D1-His332変異試料では、FTIRシグナルに変化が見られなかった。このことは、このアミノ酸は金属イオンの配位子ではなく、水分解反応に間接的に関与していることが示唆された。一方、CP43-Asp354変異試料では、カルボキシル基に由来するFTIRシグナルが消失した。この結果から、このアミノ酸は金属イオンと配位結合していることが示された。さらに、水分子のシグナルに変化が観測されたことから、その金属イオンが基質水分子の結合部位の一つであることが明らかとなった。これらの結果は、CP43-Asp354は触媒の構造だけでなく、水分解反応の重要な役割を担っていることを示している。
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