Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
今年度は、或る非線型シュレディンガー方程式の逆散乱問題と、場の量子論に関する或る線型クライン・ゴルドン方程式の散乱及び逆散乱問題について考察を行った。以下に詳細を記す。A:昨年度に得られた「非線型シュレディンガー方程式に関する散乱の逆問題」の主結果を改良することが出来た。当該問題のテーマは「既知な散乱データを用いて未知な相互作用ポテンシャルVを同定する」ことである。昨年度までの状況は1.FV(Vのフーリエ変換の意)のマクローリン係数を同定する。2.マクローリン級数に基づいてFVが決まる。更に逆フーリエ変換によりVが一意に同定される。なる流れでVが同定された。手順1が得られれば手順2は自明であるため、手順1が重要なステップとなる。昨年度に得られた手法では、FVの各マクローリン係数を同定するためには、多数回の極限操作が必要とされた。これに対して、今年度は極限操作の回数を高々2回に抑える手法を開発した。この事実は逆問題においては重要な成果である。なお得られた結果は査読付学術雑誌に投稿予定である。B:更に、量子場に関する線型クライン・ゴルドン方程式について、散乱の順問題と逆問題を考察した。このモデルは、作用素値超関数を未知とする方程式である。これに対して、当該問題は、既存の手法を応用することにより、通常の(複素数値関数を未知とする)線型クライン・ゴルドン方程式の議論に移せることを示した。なお得られた結果は査読付学術雑誌に投稿中である。
All 2009 2008 2007 Other
All Journal Article (8 results) (of which Peer Reviewed: 8 results) Presentation (2 results) Remarks (3 results)
Comm. Contemp. Math 11
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Advances in Differential Equations 14
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RIMS Kokyuroku Bessatsu B14
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Discrete Contin. Dynam. Systems 23
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Comm. Partial Diff. Equations 33
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Journal of Physics: Conference Series 73
Pages: 12021-12021
Discrete Contin. Dynam. Systems: Supplement Volume 2007
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http://www.math.s.chiba-u.ac.jp/~sasaki/
http://www4.plala.or.jp/hisasaki1979/