Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本研究では,まず透過性材料の間隙内部を含めた全気液相に適用できるよう一般化したNavier-Stokes方程式に基づく数値波動水槽に,自由表面を追跡するVOF法と漂砂移動に伴う地形変化を計算する移動床モデルの両モジュールをTwo-Wayカップリング手法を用いて組み込むことで新たな数値計算モデルの構築を行った.そして,津波をモデル化した孤立波の作用に伴う海浜断面の地形変化に関する水理実験(Kobayashi・Lawrence,2004)を取り上げ,改良したモデルの再現性を検証するとともに漂砂に関するパラメータの感度分析を行った.その結果,4波目作用後の地形変化を対象に実験値と比較したところ,引き波を過小評価しているために沖での勾配を若干過大評価しているものの,それ以浅での地形変化は汀線の後退量も含め良く一致していることを確認した.また,水位変動の比較においても実験値を再現できていることから,本モデルにより水理実験を精度良く解析できることを明らかにした.また,最も大きな地形変化が生じた1波目作用時の時系列データからは,寄せ波時や引き波の初期段階ではほとんど地形変化が生じないものの,引き波の最終段階で汀線付近の侵食が一気に進行することを確認した.一方,感度分析では,摩擦速度の係数,底質の動摩擦角,海浜内部の地下水面の高さをパラメータとして取り上げ,それらのパラメータが侵食体積,最大侵食深さ,最大堆積高さに与える影響を検討した.その結果,摩擦速度の係数の増加または底質の動摩擦角の減少に伴って底質の移動量が多くなり,侵食体積,最大侵食深さ,最大堆積高さがともに増加することを明らかにした.また,地下水面の高さも地形変化,特に侵食に大きな影響を与え,地下水面がより高い位置にあるときほど侵食体積の増加と最大侵食深さの減少が生じることを示した.
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