哺乳類のMATE型有機カチオントランスポーターの構造と機能
Project/Area Number |
07J00772
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松本 拓也 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 薬物排出トランスポーター / 有機カチオン / 腎臓 / 肝臓 / 分子メカニズム / 阻害剤 / Multidrug and toxic compound extrusion / 薬物排出 / 基質認織メカニズム / 薬物間相互作用 / 精巣 / バリアント |
Research Abstract |
hMATE1の輸送特性を詳細に解析することが可能な精製・再構成系を構築し、輸送活性を測定した。MATEの典型的な基質であるtotraethyiammonium(TEA)の輸送活性を測定した結果、hMATE1がH+勾配を駆動力とする能動輸送だけでなくH+勾配を必要としない促進拡散も行うことを明らかにした。さらにH+勾配の無い条件においてhMATE1がpH依存性を示すこと、アルカリ側pHにおいて基質に対する親和性が上昇することを明らかにした。この結果はpHの高い細胞質側で基質を捕らえ、pHの低い尿細管側で基質を放出するMATEにとって非常に合理的なメカニズムである。 一価のTEAと二価のparaquatの輸送に対する膜電位の影響を謂べることで一価、二価の区別無くカチオンがプロトンと一対一で交換輸送されることを明らかにした。この結果からhMATE1は輸送基質に対する柔軟な識とプロトンとの強固な共役という性質を持つことを明らかにした。 精製・再構成系を用いて新たなhMATE1の阻害剤を見いだした。この系はMATEと相互作用を起こす物質をスクリーニングするのに適している。 Compound AはMATE特異的な阻害剤であり、非常に低濃度でhMATE1による輸送活性を阻害することができる。この阻害剤はHATEのin vivoにおける輸送のプローブとして使用可能であり、MATEの役割を明らかにしていくうえで有用である。 さらにこれらの阻害剤の阻害メカニズムを明らかにするために様々な濃度の阻害剤存在下kineticな解析を行った。compound Aは非競合阻害剤であり、compound Bは競合的阻害剤であることを明らかにした。 続いて、HEK293細胞からのTEAの排出をcompound Aが阻害することを示した。この実験はHEK293細胞発現系を用いていったんhMATE1を介して細胞内へと取り込ませたTEAを細胞外pHを6.0に変えることで放出せ、細胞内に残ったTEAの量を測定するというものである。Compound AはhMATE1によるTEAの取り込み、放出を両方阻害するため、hMATE1に結合することで、輸送に伴う構造変化を阻害するものと予想される。 hMATE2、2Kも同様に精製、再構成し有機カチオンとH+を交換輸送する性質を持つことを示した。また基質特異性もhMATE1と類似していることを明らかにした。hMATE1、2、2Kの全ての精製、再構成系を構築したことで腎臓における有機カチオン系薬物排出研究の分子基盤を確立できた。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)