小胞体シャペロンのbeta-アミロイド産生に対する効果
Project/Area Number |
07J00791
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
星野 竜也 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 助教
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | アルツハイマー / 小胞体 / アミロイド |
Research Abstract |
アルツハイマー病は原因タンパク質であるアミロイドβ(Aβ)の神経機能障害作用により発症すると考えられている。我々は、このAβの産生に対する小胞体シャペロンの効果を調べた。代表的な小胞体シャペロンであるGlucose-regulated protein(GRP)78を過剰発現するとAβ産生が抑制された。さらにGRP78のコシャペロンであるERdj3,ERdj4をGRP78と共発現すると、GRP78のAβ産生抑制効果が促進された。また種々の小胞体シャペロンのAβ産生に対する効果を調べた結果、150-kDa oxygen-regulated proteinはAβ40,42の産生をともに抑制し、calnexinはAβ42産生のみ抑制した。一方、GRP94とcalreticutinはAβ40,42の産生を抑制しなかった。 GRP78によるAβ産生抑制の分子機構を解析した結果、GRP78はAPP(Aβの前駆体タンパク質)と相互作用することでAPPの成熟を阻害することが分かった。また、その結果APPのβ-,α-セクレターゼによる切断反応が低下し、Aβ産生が抑制されることを見出した。 Aβの小胞体シャペロンの発現に対する効果を調べた結果、Aβは小胞体ストレス応答を介し、小胞体シャペロンを誘導することを示した。またAPP過剰発現マウスにおいて小胞体シャペロンの発現が亢進していたことから、Aβはin vivoにおいても小胞体シャペロンを誘導することが示唆された。 以上の結果から、細胞はAβによる毒性から自身を守るため、小胞体シャペロンを誘導し、Aβ産生を抑制していると考えられる。小胞体シャペロン誘導剤は、Aβ産生を抑制することでアルツハイマー病の発症・進行を抑制することが期待できる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)