パイオン崩壊過程を用いた電子-ミューオン普遍性の精密測定
Project/Area Number |
07J00820
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 薫 Osaka University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | レプトン普遍性 / 擬スカラー相互作用 / ヒッグス粒子 / 電子-ミューオン普遍性 / 標準理論 / 超対称性理論 |
Research Abstract |
4月から5月にかけて、昨年度完成した検出器とビームラインを用いてエンジニアリングランを行い、検出器とビームラインの最終調整、物理データ取得のためのデータ取得システムの構築を行った。その結果、検出器とビームライン共にデザイン通りの性能を発揮していることを確認し、データ取得システムにおいても物理データ取得に必要な1kHz程度での安定動作を確認した。その後6月から12月にかけて、物理データ取得を行った。得られたデータの量は現在の分岐比測定精度の世界記録を持つ実験データ(前実験)に対して10倍程度である。現在、取得した物理データの解析が行われており、これまでに、前実験になかったシリコン飛跡検出器によるビームπ中間子と崩壊陽電子の飛跡測定と500-MHzフラッシュADCよるターゲットシンチレーター信号の波形解析によって、背景事象の割合がコンピューターシュミレーションでの予想どおり前実験の1/4程度になっていることが確認された。分岐比算出のためのデータ解析は現在進行中であるが、これらのことから、統計誤差、系統誤差それぞれの改善が期待され、このデータから現在の世界記録よりも3倍以上高い精度での分岐比測定結果を得られると考えられる。また、このデータの崩壊陽電子のエネルギースペクトルを解析することにより重いニュートリノ探索をすることが可能であり、質量が90MeV/c^2から110MeV/c^2の重いニュートリノのmixingパラメーター|U_<ei>|^2に対して|U_<ei>|^2<5x10^<-8>という上限値を求めた。これは現在の世界記録を1.5倍上回る結果である。私はこの結果を博士論文としてまとめ、2010年3月に博士を取得した。物理データ取得はこれから先2010年度、2011年度と継続される予定であり、2013年度に分岐比測定の最終結果を出す予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)