Project/Area Number |
07J00859
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
ヨーロッパ語系文学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
畠山 達 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | フランス文学 / フランス近代詩 / 教育 / レトリック教育 / ボードレール / フランス教育史 / 教育史 |
Research Abstract |
2008年11月に発行された『仏語仏文研究』37号に、「七月王政期の学校教育と文学-ボードレールを事例として-」という論文を発表した。この中では、教育と文学の関係を探る基本的な手がかりと意義を簡潔に示し、ついでこの学際的主題における先行研究の流れを概観した。そして、シャルル・ボードレール(1821-1867)が学校教育を受けた七月王政期を具体的な事例として、フランス19世紀の教育制度の枠組みとその主要な特徴を記した。これは文学研究の枠を超える側面だが、このような社会的、文化的な枠組みを据えておくことは、具体的に詩人や作家が受けた教育の内実と、それが文学の創造とどのように関係するのか検討するに先立って必要な研究であった。 2008年11月8日に岩手大学で開催された日本フランス語フライス文学会にて、「七月王政期の学校教育とボードレールの詩想」という題で口頭発表を行った。この中で、ボードレールの作品の中では若年の作とされている『病気のミューズ』という詩を取り上げ、この作品の中に読み取ることの出来る学校教育の影響を問題とした。古代ローマの表象が学校教育を通して、どの程度当時の人口に膾炙しており、常識化しているか注目し、ボードレールがそのような常套句をどのように自分の作品内で利用しているか、解明した。さらに、当時の学校教育の中では大きな問題となっていた、ギリシア・ローマの古典のキリスト教化という側面にも注目し、ボードレールが描いたキリスト教徒の血が流れるミューズを作り上げる社会的、文化的基盤の一部を解明することも出来た。学校教育の内容に注目しながら、文学研究を行うことによって、当時の人によってあまり語られない、文化的コンセンサスを明るみに出し、その背景を利用した詩人の意図を解明することが出来た。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)