Project/Area Number |
07J00862
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市居 修 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 自己免疫性糸球体腎炎 / B6.MRLc1(82-100) / FcγRIII / FcγRIIB / 雌雄差 / 増悪因子 / CXCL5・IL-1F6 / 第1染色体 / 遠位尿細管 / MRLマウス / 賢臓 / 自己免疫疾患 / 糸球体賢炎 / コンジェニックマウス / 免疫複合体 / Mag |
Research Abstract |
自己免疫性糸球体腎炎(AGN)は主として血中を循環する免疫複合体が糸球体に沈着することで発症する。本研究では本症のモデル動物を確立し、原因因子の探索ならびに新規診断および治療法への応用を目的としている。前年度では自己免疫疾患モデルであるMRLマウス由来第1染色体テロメア領域を有するB6.MRLc1(82-100)コンジェニックマウスを作出し、AGNモデルとして有用であることを報してきた。 本年度では、新たに作出した3系統のコンジェニックマウス(B6.MRLc1(82-86,92-100,100))について解析し、B6.MRLc1(92-100)でAGN発症を確認した。すなわち、AGN原因遺伝子の存在領域は第1染色体92-100cMに狭められた。当領域の原因遺伝子候補として、抑制型免疫複合体受容体IIB(FcγRIIB)および活性化型FcγRIIIの発現をB6.MRLc1(92-100)の腎臓、脾臓および胸腺で検討した。両蛋白は腎糸球体メサンギウム領域に局在し、上記3臓器でFcγIII/FcγRIIB遺伝子発現比の上昇が認められた。これより、第1染色体約92.3cMに存在するFcγR遺伝子のバランス変化がAGN発症に深く関与することが強く示唆された。 次に、B6.MRLc1(82-100)由来AGNの雌雄差に着目し、性腺摘出術を施し解析した。その結果、去勢雌は正常化したが、去勢雄のAGNは悪化した。このことから、B6.MRLc1(82-100)のAGNの雌雄差は、雄性ホルモンの病態抑制作用の影響を強く受けることが示唆された。 更に、AGN増悪因子同定のため、B6.MRLc1(82-100)の腎臓で発現上昇する炎症性メディエーターをPCRarray法で網羅的に解析した。結果、B6.MRLc1(82-100)の腎臓でCXCL5およびIL-1F6の遺伝子発現上昇が認められ、前者は糸球体上皮細胞に、後者は遠位尿細管から集合管に局在した。このことから、CXCL5およびIL-1F6はそれぞれ糸球体および尿細管間質病変の増悪因子として重要な役割を果たすことが示唆された。
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