窒化物燃料のナノ構造解析と特性評価および分子動力学による原子軌道解析
Project/Area Number |
07J01037
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nuclear engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安達 淳 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 窒化物燃料 / 高燃焼度 / マイナーアクチニド / 結晶学的性質 / 機械的性質 / 熱的性質 / 電気的性質 / 分子動力学法 |
Research Abstract |
本研究では高燃焼度下における窒化物燃料の熱物理的性質を理解するために、非放射性の核分裂生成物(FP)元素(Pd, Nd, Mo)を添加した模擬高燃焼度窒化物燃料の結晶学・機械・熱・電気的性質を実験的に評価するとともに、マイナーアクチニド(MA)含有窒化物燃料の熱的性質を分子動力学法により評価した。 模擬高燃焼度窒化物燃料の実験的評価より、窒化物燃料のヤング率・破壊靭性値などの機械的性質は上昇した。EBSDやナノインデンテーションといった微細領域の状態を評価する手法を用いることにより、粒界に析出するFP化合物が母相の粒の結合を強くしていること、また、FP化合物にひずみが集中してひずみ硬化が起こっていることが世界で初めて確認でき、このことが模擬高燃焼度窒化物燃料の機械的特性の上昇に結びついたものと思われる。一方、熱伝導率などの熱的性質は燃焼度とともに低下することが分かった。これは散乱効果などの一般的な固体物理学で説明できる現象であった。また、窒化物燃料の熱的性質は燃焼度により低下したが、それでもその熱伝導率は従来の酸化物燃料よりもはるかに高い値を示していた。 本研究での実験的評価によって世界で初めて核燃料の微細構造解析を行い、これまでわからなかった現象の要因を明らかにできた。この成果は今後の核燃料工学の研究を大きく変え得るものである。 MA含有窒化物燃料の熱的性質を分子動力学法により評価したところ、MAの添加は窒化物燃料の熱伝導率にほとんど影響を与えず、また、MA含有酸化物燃料よりもはるかに高い熱伝導率をMA含有窒化物燃料は有することが分かった。 本研究において窒化物燃料の実験的・解析的を行うことよって、窒化物燃料は結晶学・機械・熱・電気と燃料として重要な特性に関して、酸化物燃料よりもはるかに優れていることがわかり、この結果は従来の原子炉の形態をも変え得る結果であるといえる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)