中小企業集積地における地域内・地域間補完関係に関する経済地理学的研究
Project/Area Number |
07J01225
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Human geography
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
丸山 美沙子 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 産業集積 / 中小企業 / リンケージ / 取引費用 / 仲間 / 新規取引連関 / 紐帯 / 大田区 |
Research Abstract |
かねてより企業間関係の構築については,大都市産業集積地域における「強い紐帯」の存在が指摘されており,地域内におけるごく近距離の企業間の関係性が重要視され,フォーマル・インフォーマルを含む企業間関係の存在が集積地域の優位性の源泉として認識されてきた.しかしながら国内製造業が拡大を続けた1980年代以前(拡大期)と,縮小傾向に転じた1990年代以降(縮小期)では,これまでの関係性や空間的傾向が異なることが予想される.今年度は,昨年度に大田区で実施した聞き取り調査およびアンケート調査の内容をまとめた.その結果,明らかとなった縮小期の特徴は以下のようになる. 新規取引連関の構築については,紹介が重要であるものの,紹介者が「仲間」とは限らない.また「仲間」との取引連関は垂直的関係である場合も多く,全体としては水平的・垂直的関係の混合となっている.空間的側面に注目すると,「仲間」は大田区内の割合が高いものの,全体としては南関東の範囲まで広がっている.拡大期において,地域内の仕事量が大量であったために存在していた関係が,近隣企業間の「産業地域社会」や「仲間」という現象であった.一方,縮小期においては,仕事の量的減少,技術の高度化により,近いという理由だけでは相手企業を選択することはできない.企業間の距離がごく近い場合であっても,あくまでビジネス関係に基づいている場合がほとんどである.すなわち拡大期から縮小期への変化の中で,近隣企業間の関係性に関しては,その重要度・優先度が次第に低くなっていったと考えられる.したがって,従来指摘されてきた「産業地域社会」など近隣企業間の密な関係性は,縮小期の大田区産業集積において特徴的ではなくなったといわざるを得ない.なお,本年度までの研究成果は博士論文(英文)として筑波大学に提出した.今後は英文誌等に投稿予定である.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)