Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
申請者は,サーバレスな無線アドホックネットワークにおいて移動端末が発生した情報がその位置に関連付けられている情報--位置依存情報-の収集,共有を行うアプリケーションの設計に関して研究を行っている.この応用例としては,車々間通信における道路交通情報,地域沿線情報の収集等が考えられる.各端末は,ある位置で発生した位置依存情報がほしい場合,その位置に向けてアドホックネットワーク上のGeocastを用いて要求を送信する.そしてその位置周辺で,その位置で発生した位置依存情報を保持する端末が応答を要求元端末へ送信する.しかし,無線アドホックネットワークで情報の共有を行う場合,ネットワークトポロジが頻繁に変化し,ある時点で利用できた他の端末が保持する情報が,別の時点では利用できないという問題が発生する.この問題の解決手法として,申請者は位置依存情報に焦点を当てた複製配布手法について検討を行っている. 申請者は,昨年度から継続して,これまでに提案されたデータ要求に対するデータ応答時の複製再配置手法の改良手法について検討した.手法の基本コンセプトは,ネットワーク上の分岐点となる複数の端末の隣接端末に複製を配置することである.また複製の過剰配置を抑制するため,端末密度等のパラメータを用いて複製配置密度を調節する.申請者は本手法についてシミュレーションにより評価を行った.評価の結果,既存の手法よりも移動速度が高く,データ要求の宛先がデータ要求生成位置から遠い時に,高い要求成功率を示すことがわかった. また,申請者が過去に提案した複製配布手法について,端末密度の大小に応じて複数の複製配布方式を使い分ける手法について検討した.この手法を用いることで,端末密度が小さいときは近隣端末に確実に複製を配布し要求成功率を高めるとともに,端末密度が高いときは複製配布トラフィック,複製配置数を制限し,過剰な複製配布を抑制し負荷を抑制する.この結果端末密度によらず高信頼な複製配布が可能となる.
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