α-シヌクレインの異常による神経変性疾患の解明と新規治療法に関する研究
Project/Area Number |
07J01428
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
増田 雅美 Tokyo Metropolitan University, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 神経変性疾患 / α-シヌクレイン / パーキンソン病 |
Research Abstract |
1:α-シヌクレインの線維化阻害剤の作用機序の解析 α-シヌクレインの線維化/蓄積はパーキンソン病発症に深く関与する因子であることから、本研究ではα-シヌクレインの線維化阻害化合物を同定し(Masuda, et. al. Biochemistry 45:6085-6094,2006.)、その作用機構について解析を行なった。タンパク質化学的解析と核磁気共鳴分光法(NMR法)を用いた構造解析の結果、阻害剤は線維形成の中間体であるα-シヌクレインオリゴマーのN末領域に阻害剤が結合して安定化することで、さらなる重合を阻害するという作用機構を明らかにした。さらに、同定した線維化阻害剤を、タンパク質蓄積を伴う神経変性疾患モデルマウスに経口投与し治療効果の評価を試みた。その結果、阻害剤投与群では運動機能低下の遅延効果が観察されたことから、線維化阻害剤は神経変性疾患の治療法として応用可能であることを明らかにした。 2:リン酸化α-シヌクレインの構造解析 パーキンソン病患者脳内に蓄積したα-シヌクレインに特徴的な翻訳後修飾であるSer129リン酸化がα-シヌクレインの構造に与える影響について解析を行った。Ser129のリン酸化はα-シヌクレインの線維形成能を促進させる事から、神経変性に深く関与する因子と考えられている。そこで、リン酸化α-シヌクレインを精製し、NMRを用いて構造解析を行った。その結果、Ser129リン酸化は、リン酸化部位が存在するC末領域だけでなく、N末領域(5-51a.a.)の構造変化も引き起こす事が明らかになった。α-シヌクレインのN末領域は家族性PD変異が集中する領域であり、これらの変異体も線維形成能を増大する。さらに線維化阻害剤の作用部位がα-シヌクレインのN末領域1-60a.a.である事からも、N末領域の構造変化が線維形成に深く関与する事が明らかとなってきた。
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Report
(1 results)
Research Products
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