相対運動知覚の機能と発達に関する心理物理学的および生理学的検討
Project/Area Number |
07J01464
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Experimental psychology
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
白井 述 Tokyo Metropolitan University, 人文科学研究科, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 運動視 / 放射運動 / 知覚発達 / 視覚誘発電位 / 回転運動 / 脳波 |
Research Abstract |
本年度前期(2008年4月から同9月まで)は、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ・心理学部のJanette Atkinson教授らの研究グループと共同研究を実施した。ロンドン大では主に、放射状の拡大・縮小運動を観察時の脳活動について、ヒト成人と乳児を対象とした脳波測定実験を行った。その結果、成人と乳児とでは、拡大・縮小運動の提示によって活動する大脳皮質領域が異なる可能性が示唆された。さらに成人と5ヶ月児とでは活動領域は異なるものの、拡大・縮小運動に対する大脳皮質の反応特性(拡大よりも縮小運動に対してより活発な脳活動を生じる)は類似していたのに対して、生後3ヶ月児では成人や5ヶ月児とは異なり、拡大・縮小運動に特徴的な脳活動は非常に弱く、また両運動間で有意な差も認められなかった。これらの結果から、放射運動処理に関連する神経機構が生後3から5ヶ月の間で大きく変化すること、さらに生後5ヶ月の時点においても放射運動知覚には成人とは異なった神経機構が関与している可能性が明らかとなった。これらの成果については2008年度日本基礎心理学会で発表を行い(優秀発表賞受賞)、また2009年5月に開催されるVision Sciences Society Annual meetingにおいて発表予定である。 本年度後期(2008年10月から2009年3月まで)は、主にヒト成人を対象とした心理物理学的研究を実施し、放射状の拡大運動からの3次元知覚特性や、放射運動知覚と前庭情報の統合による自己運動知覚特性に関する研究を行った。前者の研究についてはすでに国際学術誌に投稿中であり、また後者については第17回人間工学会システム大会で発表を行い、現在国際紙への投稿を準備中である。また、京都大学霊長類研究所との共同研究として、ニホンザル乳児を対象とした行動実験を実施した。この研究はニホンザルにおける放射運動知覚の初期発達過程について検討したもので、現在までに必要なデータを収集し終わり、現在、国際紙への投稿原稿を準備中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)