Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
有限生成無限群Gと,その有限生成系S与え,それに対するケーリーグラフを考える.このケーリーグラフに「沿って」四次元球面を無限個連結和して作られる非コンパクトな四次元多様体をXとしよう.このX上でのYang-Millsゲージ理論を研究した.具体的には,X上の(一般にはエネルギー無限大の)ASD接続のモジュライ空間を考えたとき,連結和の各ピース上で曲率に適当な制限を加えれば(そして,さらに連結和の構成をうまく制御すれば)モジュライ空間がほぼ「インスタントンの無限貼り合わせ」の手法で記述できることを示した.特に,その応用として,Gがアメナブル群である場合に,モジュライ空間のG作用に関する(Gromovの定義した意味での)「平均次元」の評価を与えた.さらに,適当な状況においては,平均次元に対する公式を与えることに成功した.非コンパクトな4次元多様体上での無限エネルギーのゲージ理論というものは,ほとんど何も研究が行われていない巨大な荒野であるが,その荒野を開拓する一歩になったと考えている.また,平均次元の評価においては,考える群Gはアメナブルである必要があるが,「インスタントンの無限貼り合わせ」に関する解析においては,群Gが一般の有限生成無限群で良く,特に,非可換自由群のように,非アメナブルな場合でも解析が可能であるということは興味深いことだと思われる.一方で,「無限貼り合わせ」で記述できないような,より一般のASD接続のモジュライ空間を,Donaldson等によって開発された「ゲージ理論版のRungeの定理」を用いて調べる研究も進行中である.
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