Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
NMR法を用いて、GβγによるGIRK開閉機構の立体構造の観点からの解明をさらに進めた。具体的には、GIRK-Gβγ間相互作用のNMR解析に必要なGIRK細胞内領域の主鎖アミドプロトンの帰属を進めることにより93%の帰属を完了し、データベースに登録した(BMRB accession number:11067)。帰属に基づき、転移交差飽和実験と化学シフト摂動(CSP)実験結果より、GIRK上のGβγ結合部位および結合に伴う構造変化領域の同定を行った。その結果、GβγはGIRKのT238,E240,G241,E242,F243,L333,K339,E350を含む分子側面のサブユニット境界面に結合し、サブユニット間の相対配置を変化させることにより、Gβγ結合面から離れたβH-βIストランド間に位置するGループを含む細胞内ポア表面やN末端領域に構造変化を誘起することが明らかとなった。全長構造中においてGループは膜貫通領域のinner helixと近接し、N末端領域はouter helixに連結していることから、これらの部位に生じた構造変化は膜貫通領域に伝播し、ゲートの開口に寄与し得ると判断した。 生体内におけるGPCR-G蛋白質-GIRK複合体形成機構の解明によるGIRK制御機構解明に向けて、Gα_<i3>とRGS4を調製し、(1)RGS4(2)Gα<i3>(3)Gα_<i3>-RGS4(4)Gαβγについて、GIRK細胞内領域を観測対象としたCSP実験を行った。その結果、(1)RGS4(2)Gα_<i3>(3)Gα_<i3>-RGS4において相互作用を示す結果を得たが、(4)Gαβγにおいて相互作用を示す結果は得られなかった。このことは、活性化時にGα_<i3>やRGS4、Gα_<i3>-RGS4がGIRK近傍に集積することを示唆しており、この局在は不活性化したGα_<i3>がGβγを迅速に回収することを可能とするため、チャネル活性の解除に寄与すると考えられる。一方、本研究においてGαβγとGIRKの相互作用は検出されなかったが、両者の相互作用はGIRKの素早い活性化に重要と考えられており、本研究に含まれないGIRKの領域やGα_<i3>の脂質修飾などが関与する可能性があるため、さらなる解析が必要である。
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