微生物を宿主としたコンビナトリアル生合成法による非天然型植物ポリケタイドの網羅的生産
Project/Area Number |
07J01990
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Bioproduction chemistry/Bioorganic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
勝山 陽平 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 植物ポリケタイド / コンビナトリアル生合成 / III型ポリケタイド合成酵素 / クルクミノイド / ジンゲロール / III型ポリヶタイド合成酵素 |
Research Abstract |
(目的) 植物ポリケタイドはフラボノイド、スチルベンやクルクミノイドに代表されるように高い生理活性を持つ化合物群である。これらの化合物はすべてIII型ポリケタイド合成酵素によって生合成される。また、コンビナトリアル生合成法とは人為的に生合成経路を構築することでこれまで存在しなかった新規な非天然型の天然物を生産する手法である。本研究はIII型ポリケタイド合成酵素を用いたコンビナトリアル生合成法により、従来よりも生理活性の高い新規な植物ポリケタイドの生産をすることを目的としている。この目的を実現するためには幅広ポリケタイド合成酵素群のライブラリーとそれらの詳細な機能解析が必要不可欠である。そこで、ゲノムマイニングなどの手法を用いて新規なIII型ポリケタイド合成酵素をスクリーニングし、発見された新規なIII型ポリケタイド合成酵素を用いて非天然型植物ポリケタイドの網羅的生産を行う。 (方法と結果) 昨年度に取得されたウコン由来クルクミン合成酵素1(CURS1)をX線結晶構造解析に供することでその詳細な反応機構の解明を目指した。CUS1を大腸菌を用いて組換えタンパク質として調製し、Ni-NTAカラム及び陰イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。得られた精製タンパク質をPEG3350を沈殿剤として用いたシッティングドロップ蒸気拡散法により結晶化した。その結果良質な結晶が得られた。得られた結晶と筑波のフォトンファクトリーのビームラインを用いて高輝度X線回折実験を行ったところ良好な反射が得られた。これにより得られた回折データの位相を分子置換法により決定し、CURS1の構造を2.3Åで解くことに成功した。得られた構造をもとに変異CURS1を作製し、それらの機能解析を行った。その結、得られた結果よりCURS1の反応機構を推定した。 本研究により取得されたクルクミノイド合成酵素(CUS)を用いてジンゲロールの類縁体の生産を行った。過去のin vitro実験によりCUSはβ-ケト脂肪酸酸CoAエステルとp-クマロイル-CoAよりジンゲロールと類似した構造を持つデメトキシジヒドロジンゲルジオンを生産する活性を持つことが示唆されていた。そこで、大腸菌内においてCUSと4-クマロイル:CoAリガーゼ、脂肪酸CoAリガーゼ及び酵母のβ-酸化系に含まれる酵素群(チオラーゼを除く)を同時発現させ、p-クマル酸と脂肪酸を投与することでジンゲロールの類縁体の微生物生産を試みた。その結果、様々な鎖長の脂肪酸よりジンゲロール類縁体の生産に成功した。さらに、脂肪酸の末端に芳香環や三重結合を持つ、自然界にはあまり存在しない脂肪酸を用いて同様の実験を行ったところ、これらの基質の構造を反映したジンゲロール類縁体の生産に成功した。これらの実験により合計で10種類のジンゲロール類縁体の生産に成功した。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)