組織・集団におけるモチベーションの生起メカニズムとその生態学的適応基盤
Project/Area Number |
07J01993
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Social psychology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
和田 伸恵 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 組織行動 / 協力 / 二八の法則 / 個人差 |
Research Abstract |
組織・集団におけるモチベーションの生起メカニズムについて生態学的妥当性の高い理解を目指すことが、本研究の大きな枠組みである。そのなかで、集団で共同作業を行う場面において、人は課題にどのように動機づけられるのか、という問いに対して、進化ゲーム理論の視点を援用した集団実験およびコンピュータシミュレーションを行いながらアプローチしていく。申請者は、以下に述べる「頻度依存的動機づけモデル」(Tamura, Wada, & Kameda, 2007 ; Kameda & Tindale, 2006)がこうした矛盾を統合するのではないかという観点から、人間集団を用いた行動実験を実施した。集団場面での個人のユニークな貢献可能性は集団内の作業協力者数が増えるに従い逓減する(Steiner, 1972)という一般的な性質を考えたとき、個人の努力は他に協力者が少なければそれに見合う結果を生み出すものの(リターンが投入コストを上回る)、協力者数が多ければ個人の努力は無駄になりやすい(リターンがコストを下回る)。つまり、個人の集団課題解決への動機づけは、周りの作業協力者の頻度に依存し、リターンとコストが等しくなる臨界点をはさんで、協力から非協力に大きく変化するはずである。これが、「頻度依存的動機づけモデル」であり、集団におけるモチベーションの生起メカニズムに対して1つの統合的な視点を与える。この実験の当初の予測では、集団内の個々人がモデルに従った行動を取った結果として、集団内に"協力者"と"非協力者"の共存が生じるのではないかと考えていた。しかし、実験の結果、集団内の個人の行動は決して一様に「頻度依存的動機づけモデル」で説明されるものではなく、むしろ強い個人差が存在することが明らかになった。そこで、集団内の個人差がどの程度頑健で、どの程度可塑的なものであるのかについて、実験検討をつづけている。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)