Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,神経系の再生医療実現に必要な要素技術に関してマイクロ加工技術を積極的に利用する立場から問題解決のための基礎的な検討を行った. 本論文では特に次の3つを具体的な課題として設定した. 1,幹細胞由来神経回路網におけるネットワーク・ダイナミクスの観測 2,幹細胞由来神経細胞と大脳皮質初代培養神経細胞との共培養時に起こる現象を観測する手法の提案 3,細胞分化過程の制御を目的とする電気刺激デバイスの開発 1,の課題についてはMEA基板を用いてP19由来神経回路網の自発電気活動の観測に成功した.大脳皮質初代培養神経回路網の特徴的な活動特性である同期バースト活動がP19由来神経回路網においても発生すること,このP19由来神経回路網における同期バースト活動の発生に主要な役割を果たす化学伝達物質も初代培養系と類似したもの(グルタミン酸とGABA)であることを明らかにした. 2,の課題については,2つの細胞培養マイクロチャンバーとそれらを結合するマイクロトンネル構造を有するPDMSベースの培養チャンバーを作製し,幹細胞由来神経細胞と大脳皮質初代培養神経細胞を分離した状態で両者間の結合形成を誘導することが可能であることを示した.また,この共培養系において両者の神経細胞群から同期した同期バースト活動を観測し,幹細胞由来神経回路と生体由来神経回路の機能的な結合をin vitro系において再現・構築することに成功した. 3,の課題については,マイクロキャビティアレイ構造により,細胞分化に影響する要因と考えられているEBサイズ・形態を一定に保った状態で多数のEB群に一括して電気刺激を印加し,細胞応答を誘導することに成功した.さらにこの電気刺激を慢性的に印加した際に細胞内で誘導される代謝反応についても知見が得られ,細胞分化の物理的な手段による制御に向けて道を開いた.
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