Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
平成19年度は、ディーゼル排気微粒子由来のニトロフェノール類PNMCおよびPNMPPを用いて以下の成果が得られた。 PNMCおよびPNMPPのホルモン依存性癌細胞への腫瘍プロモーション作用 PNMCおよびPNMPPがホルモン依存性乳癌および肺癌細胞増殖に及ぼす影響について検証した。初めに,PNMCおよびPNMPPの遺伝子障害性を検討する目的で,CHO細胞を用いたコメットアッセイを実施したところ,PNMCおよびPNMPPのいずれも遺伝子障害性は認められず,PNMCおよびPNMPPの発癌に対するイニシエーター作用は否定された。次に,エストロゲン反応性乳癌細胞株MCF-7と肺癌細胞株A549およびH1395を用いて,細胞増殖試験を実施した。その結果,MCF-7ではエストラジオールー176,PNMC,PNMPPで増殖活性が認められたが,A549およびH1395ではエストラジオールー176,PNMC,PNMPPを添加しても有意な細胞増殖効果は認められなかった。さらに,ERを介する転写活性の有無を確認するために,エストロゲン応答配列レポーターアッセイをMCF-7乳癌細胞株,およびERβが発現しているH1395肺癌細胞株を用いて行った。その結果,MCF-7ではエストラジオールー176,PNMC,PNMPP添加で有意な転写活性を示し,H1395では,PNMCのみが有意な転写活性を示した。以上の結果から,PNMCおよびPNMPPは,乳癌細胞に対しては腫瘍プロモーション作用を示したが,肺癌細胞への腫瘍プロモーション作用は示さなかった。また,本研究においてPNMCは,ERβに結合して転写活性を示す事実を明らかにした。 本研究で得られた知見は、ディーゼル車の環境基準を制定する上でもよりよいディーゼル車を製造する上でも極めて重要な基礎資料であるといえる。
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