Project/Area Number |
07J02413
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Electron device/Electronic equipment
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上野 憲一 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | CMOS / アナログ回路 / サブスレッショルド領域 / スマートセンサ / ユビキタス / 極低消費電力 / プロセスばらつき / MOSFETの温度特性 |
Research Abstract |
本研究は、「極めて微小な電力で動作するスマートセンサLSIの構成方法を確立すること」を目的に、大きく以下の研究課題に取り組んだ。LSIの消費電力を格段に低減する手法として、本研究ではMOSFETのサブスレッショルド領域(しきい値電圧以下で動作)を利用した回路設計手法の確立を目指している。以下に、本年度の研究成果を示す。 (1).参照クロック源回路の提案,試作,評価 MOSFETのサブスレッショルド領域特性は、温度に対して敏感に変化するため、その回路システムには、温度変化や電源電圧の変動に対しての影響が小さい参照クロック源回路が必要になる。このような参照クロックは、LSIシステムにとって必須の要素回路ブロックであり、特に各回路の同期、回路動作周波数の制御、外部端末との送受信回路のために使用される。一般に参照クロックとしては、水晶振動子を用いる。しかし、これはCMOSプロセスとの親和性が無く、外部オフチップとして使用される。オンチップで動作するクロック源回路がいくつか提案されているが、これらは消費電力が1mW以上と大きく-μW級のサブスレッショルドシステムには使用できない。 そこで本研究では、極低消費電力で動作するオンチップ参照クロックも源回路を提案した。回路構成は、周波数同期技術に基づき、サブスレッショルド領域で動作するMOSFETのみで構成した。実際にLSIチップ試作を行い、その評価により動作を確認した。この回路は温度変化に対して一定の参照信号を出力する回路アーキテクチャであり、回路全体の消費電力も既存の回路と比較して1/10~1/100の消費電力を達成した。この研究内客は、国内学会、国際会議において発表を行い、さらに現在、論文誌に投稿中である。 (2).超低消費電力スマート温度センサLSIの提案,試作,評価 サブスレッショルド動作を利用した低消費電力温度センサLSIについて検討を行った。サブスレッショルド領域での電流特性は、温度に対して敏感に変化する。また、その電流値はnAオーダの微小電流であり極低電力化が期待できる。この物理特性を利用して、従来方式とは異なる温度センサLSIを構成することができる。提案する温度センサは、周波数同期ループ技術を用いることで、温度を周波数パルスに変換する。実際にセンサ回路の設計、試作を行い、その動作を測定により確認した。この温度センサは,サブスレッショルド領域で動作するCMOS回路から構成され、10μW程度の極低消費電力(既存の回路と比較して1/10~1/100の消費電力)で動作する。 この研究内容は、国内学会、国際会議において発表を行い、さらに論文誌に掲載が決定(2010年)した。
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