Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
蛇紋岩は,上部マントルを構成するかんらん岩が水を含んで変質した岩石であることから,沈み込み帯のマントルウェッジにおける対流や物質循環を理解する上で重要な鍵を握ると考えられている.本年度は,沈み込みプレート境界における蛇紋岩の存在形態やそのすべり挙動に対する物質科学的な制約を与える目的で,以下のとおり実施した. 1.2008年4月21〜30日に実施されたYK08-05航海(伊豆・小笠原海域)に参加し,「しんかい6500」による5回の潜航調査(6k#1064-1068)を行った(申請者は#1066を担当).その後,採取した蛇紋岩を用いて変成・変形組織解析を行い,海洋性島弧における蛇紋岩体の貫入モデルを示した. 2.蛇紋石の流動特性を明らかにする目的で,冷たい沈み込み帯のマントルウェッジコーナーに対応する温度圧力条件下で単純剪断変形実験を行った.実験は,広島大学所有の固体圧式変形試験機を用いて行い,温度200□,封圧1Gpa,定歪速度下で剪断歪(γ)を系統的に変化させた.蛇紋石(リザーダイド・クリソタイル)は,上記の条件下で均質な塑性流動を示したことから,沈み込み帯のマントルウェッジにおける低温型蛇紋石の存在は,プレート間地震の発生を抑制する働きがあると考えられる. 3.2008年12月9〜14日の間,カリフォルニアのゴルダ地域において,蛇紋岩のサンプリングと方位測定を目的とした野外地質調査を行った.
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