応答機能を有するビアリール型酸化還元対の集合化とその機能開発
Project/Area Number |
07J02507
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 英輔 Hokkaido University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 分子応答系 / 動的酸化還元 / キラリティ / 発光 / 単分子膜 / 酸化還元系 / 自己組織化膜 / FT-IR ATR / 電気化学的双安定性 |
Research Abstract |
研究代表者は、電子移動に伴い分子構造が著しく変化する動的酸化還元系の多機能化に取り組み、多重入力・多重出力が可能な分子応答系へと発展させることに成功した。具体的には、電位およびpHの両方の変化によって発光能がON・OFFスイッチングされる応答性分子を構築した。電位とpHという二つの外部刺激のうち一方のみではこの変化は生じないため、この分子はAND型のロジックゲートとみなすことができる。さらに、その応答挙動は、発光の他にUV-Vis・CD・FDCDスペクトルにも劇的な変化を伴い、複数の手段で感度よく検出することが可能である。 研究代表者はまた、動的酸化還元系を単分子膜として電極表面に自己組織化させることに成功した。動的酸化還元系は、通常の酸化還元系とは異なり、酸化体と還元体の間の電子交換が起こらないため、電極表面上で不均一に酸化種と還元種を発生させることが可能であると考えられる。そのような電極の作成成功例はこれまでになかったが、研究代表者が構築した動的酸化還元系分子は、金(111)表面と安定に化学結合を形成した。また、実際にその電極表面を酸化還元して、動的酸化還元挙動が起こっていることをIRスペクトルで明確に帰属することに成功した。これは、溶液中だけでなく、電極表面でも動的酸化還元という現象が起こることの初めての確認であり、酸化還元分子を用いた分子メモリなどの応用に指針を与える重要な知見である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)