天然鉱物のシナジー(共生効果)によるペプチド生成における触媒作用
Project/Area Number |
07J02731
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Earth system and resources enginnering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
熊切 由貴恵 (大田 由貴恵) Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | シナジー(共生効果) / 天然鉱物 / ペプチド生成 / 触媒 / 鉱物の触媒作用 / 鉱物の固体酸強度 / グリシン |
Research Abstract |
本研究で明らかとなった、(1)鉱物種ごとに著しくペプチド生成が促進される条件が異なること、(2)蒸発乾固法の実験系にて、シリカを触媒に用いた場合、反応溶液のpHによりペプチド生成が大きく促進されたこと、また(3)水を加えず、相対湿度を制御し乾燥の程度を調整する実験にて、ヘクトライトとγ-アルミナでペプチドの生成が非常に促進された(I.γ-アルミナ:ジケトピペラジン0.73%、グリシルグリシン1.13%、トリグリシン0.50%、テトラグリシン0.18%、ペンタグリシン、ヘキサグリシン定量不可-検出、II.ヘクトライト:同2.92%、2.56%、2.09%、1.04%、1.13%、0.64%)。このメカニズムは、各鉱物表面はそれぞれ全く異なる触媒効果を有し、その違いは各鉱物の構造のみならず、組成の違いによることが明らかになった。 (2)、(3)の手法からは、鉱物を触媒として長い直鎖のペプチド生成に寄与する環境条件を見出せた。ペプチド生成を阻害するメラノイジンが生成されやすいアルカリ環境では、直鎖のペプチドの生成が困難になる。しかし、メラノイジンが生成されにくい酸性環境では、鉱物の触媒効果が上回る結果が得られた。また、反応期間中に液体としての水の関与がない(3)の系では、メラノイジンが特に生成されやすい粘土鉱物の系やモンモリロナイトの系においても直鎖のペプチドを生成しやすいことが分かった。 さらにこの(3)の系最も高い触媒効果が得られたヘクトライトの系ではXRDパターンから少量のカルサイト確認でき、これがシナジー(共生効果)となって同系でのペプチドの生成量に影響した可能性が認められ、粘土鉱物の系でも、7量体までのペプチドの生成が認められ、ペプチド生成総量も他の条件に比べ圧倒的に多い。これらの結果より、より多量のペプチドをごくシンプルな系で生成し、ひいては地球学的モデルを構築する足がかりとなる知見が得られた。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)