Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
本年度は,(1)1年目に確立した試料の前処理法,分析法に基づいて三波川帯の分布する別子型鉱床のRe-Os年代を決定すること,(2)硫化物鉱床の年代だけでなくMn,Fe-Mn鉱床の生成年代をコンパイルし,鉱床の生成年代から古海洋の酸化・還元変遷史を明らかにすることの2点を主な目的とした.今年度は新たに4つの別子型鉱床についてRe-Os年代を得ることに成功し,Mn/Fe-Mn鉱床の生成年代に関しても,他研究機関の研究者と密に情報交換を行うことにより順調に作業が進んだ.以上の結果,以下のことが明らかとなった. (1)別子型鉱床のRe-Os年代は三波川変成作用のピーク年代よりも明らかに古く,直線性の良好なアイソクロンが多数得られていることから,別子型鉱床のRe-Os年代は鉱床の初生的な年代を表しており,Re-Os法による年代決定は変成帯においても有効である. (2)別子型鉱床の生成環境は,大陸地殻から数千km離れた遠洋〜半遠洋域である.島弧縁海域で生成された鉱床であるとの意見も根強かったが,これを否定する結果が得られた。鉱床の生成年代,生成環境が明らかになったことにより,今後の資源探査の指針として役立つと考えられる。 (3)還元的な環境下で安定である別子型鉱床の生成年代は150〜160Maおよび約190Maの2つの時代に集中していることが明らかになった.これらの時代は還元的な環境で安定であるMn炭酸塩鉱床の生成年代と良く対応しており,一方酸化的な環境で安定なMn/Fe-Mn酸化物鉱床は,異なる時代に生成している。したがって,ジュラ紀前期/末期において海洋環境がグローバルに還元的になったことを示唆している.
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