複合格子上のエキゾチック超伝導体の発現機構の理論的研究
Project/Area Number |
07J02778
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江澤 雅彦 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | グラフェン / 量子ホール効果 / 超対称性 / ベリー位相 / 複合格子 / エキゾチック超伝導 / ナノディスク / ナノリボン |
Research Abstract |
「複合格子上のエキゾチック超伝導体の発現機構」の提唱と解明が研究目的である。この目的遂行のため、本年度は特別研究員採用第1年度目の研究として、複合格子として最も簡単な物質であるグラフェンの電気的性質の解析を精力的に行った。 先ず、超対称量子力学とベリー位相を用いてグラフェン上の量子ホール効果の研究を行った。通常の量子ホール効果との最大の違いは、電子が相対論的ディラック方程式で記述されることである。その結果、内在的ゼーマンエネルギーはサイクロトロンエネルギーのちょうど半分になる。この内在的ゼーマン効果の故に、エネルギーレベルはランダウレベルと本質的に違ったものになり、同じエネルギーレベルに違うランダウレベルからアップスピンとダウンスピンの電子が来る。私はこの事を初めて指摘し、その論理的帰結として、磁場中のクーロン相互作用がスピン依存性を持つ事を論証した。 次に、グラフェン派生物であるナノディスクの電磁的性質の解析を行った。これは私が提唱した円盤状のグラフェン派生物である。これらの物質群を系統的にバンド計算することによりゼロエネルギー状態が三角ナノディスクのみで現れる事を初めて発見した。更に、この系の基底状態は、比較的小さいサイズのナノディスクに於いても、緩和時間の長い強磁性を示す事を発見した。これは将来的にナノディスクがメモリーに使える可能性を示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)