リンパ管新生の検討と癌由来の血管、リンパ管新生抑制遺伝子の探索
Project/Area Number |
07J02800
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
齊藤 幸裕 Asahikawa Medical College, 医学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 血管新生 / リンパ管新生 / 遺伝子治療 / 癌転移 |
Research Abstract |
癌の増殖、転移には癌由来の血管、リンパ管新生因子が関与するため、これらの制御は予後向上のための治療標的となる。そこで我々は癌由来の抗血管、リンパ管新生制御因子を探索するため研究を行った。マウス肺癌LL/2細胞よりcDNAライブラリーを構築し、独自のHVJ-Eを用いたHigh Throughput Functional Screeningにより増殖抑制候補遺伝子cold shock domain protein A(CSDA)を特定した。CSDAは血管内皮細胞(HAEC)、リンパ管内皮細胞(LEC)両方の増殖能を抑制した(c-fos promoter assay;84.9%inhibition in HAEC,97.3%inhibition in LEC under10%FBS condition)。正常組織では骨格筋と心臓に特異的に高発現し、血管・リンパ管内皮細胞にもわずかに発現していることを確認した。細胞内局在は主として核であった。Deletion mutantによる検討により、この増殖抑制活性にはcold shock domainが必須であることを確認した。CSDAの増殖抑制の作用機序として、既報のHypoxia inducible factor-1の作用抑制に加えて、serum response region(SRE)を抑制することを確認した(SRE assay:45.1%inhibition in HAEC,97.0%inhibition in LEC under10%FBS condition)。生体でのCSDAの作用を確認するために、マウス背部皮下にLL/2細胞を移植した担癌マウスモデルにCSDAを反復して遺伝子導入すると、腫瘍周辺の血流低下と転移減少の傾向を認めた。CSDAは血管、リンパ管新生を同時に抑制しうる新規の制御遺伝子であり、癌治療の次世代の治療戦略となりうることが示唆された。さらに我々はCSDAが正常心筋、骨格筋に発現していることに着目した。検討の結果CSDAは心筋、骨格筋において血管新生の内因性制御因子として機能していることが明らかとなり、これをノックダウンすることで増殖因子を添加することなしで、血管新生を誘導することが可能なことを見出した。またCSDAは癌化の過程で、白血病、子宮癌、肺癌、大腸癌、悪性リンパ腫、悪性黒色腫、甲状腺癌で発現することがわかった。このことはCSDAが癌の発生、進展に機能を有していることを示唆しており、新たな腫瘍マーカー、悪性度診断マーカーとなりうる可能性があることを示している。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)