Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
ヒトES細胞を用いた網膜再生医療モデルを確立するため,これまでに蓄積したマウスES細胞からレンズ細胞,神経網膜細胞,網膜色素上皮細胞を含む眼様構造の誘導法(Hirano et al,2003)と,これを用いた網膜治療動物モデルの開発技術(Aoki et al,Exp Eye Res.2006,Aoki et al,Exp Eye Res.2007,Aoki et al,Graefes Arch Ophthalmol.2008,Aoki et al,Dev.Dyn.2008)をもとに,複数の細胞系譜から構成される眼様構造をヒトES細胞からも形成することを試みた。しかしながら,in vitroの従来の培養系では分化効率が悪く,立体的な構造体の形成には至らなかった。ヒトES細胞から効率よく三次元的な眼様構造を形成し有力なドナー細胞供給源とするため,生体内でのES細胞の分化誘導を解析した。 成体マウスの眼球内へ移植されたヒトES細胞は発生期の眼と非常に類似した三次元構造を形成した。この構造体は、上皮に由来するレンズや角膜を含まないものの、眼胚の特徴である眼胞が陥入した状態に類似した、網膜色素上皮により構成される外層と神経網膜のマーカーを発現する神経上皮層から構成されていた。また、内層の神経網膜はヒトの発生と同じような時間軸に沿って、網膜神経節細胞層と顆粒層に類似した二層構造を分化させた。このような明確な眼様構造は皮下への移植では形成されない。これらの結果は,眼球内に移植されたヒトES細胞が移植された環境に応じて三次元的な分化を行う能力を有することを示すと共に,新しいドナー細胞の供給法を示したと思われる。
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