赤外線観測に基づく原始惑星系円盤におけるダストの物理状態および進化過程の解明
Project/Area Number |
07J02823
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 英明 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 惑星系形成論 / ダスト / デブリ円盤 / 原始惑星系円盤 / ベガ型星 / 赤外線観測 |
Research Abstract |
若い星の周囲における惑星の形成過程を考える上で、惑星の材料となるダストの起源や進化を理解することは欠かせない。特に、デブリ円盤におけるダストは、惑星形成過程の後期をトレースする重要な研究対象である。しかしながら、最初のサンプルであるベガが認識されてからまだ歴史が浅いため、これまでのところ、あまり良く理解が進んでいない。より若いシステムである原始惑星系円盤に加えて、デブリ円盤を中間赤外線で観測することで、若い星の周囲に存在するダストの性質とその進化の解明を目指してきた。 まずこれまで行ってきた「あかり」によるダスト円盤(デブリ円盤)探査の総括と統計的な議論を行った。その結果、温かいダストを持つデブリ円盤の性質は、A型星と太陽類似FGK型星では大きく異なる傾向があることが分かった。また、今回の探査で見つかったデブリ円盤の中には、星周における微惑星同士の衝突による定常的なダスト円盤進化モデルから予想されるダスト量よりもはるかに大きなダストが存在する系が複数あり、これらの天体では突発的な微惑星衝突現象が起こっており、これにより大量のダストが供給されていることが示唆された。 さらに、Spitzer宇宙望遠鏡による中間赤外線分光観測からは、HD 165014という主系列星に見られる赤外線超過の低分散スペクトルから、この星に付随するデブリダストには、結晶質シリケイトの一種であるエンスタタイト(MgSiO3)というダスト種が豊富に存在することが分かった。これまでに見つかっているデブリ円盤およびその前駆体天体であると考えられている原始惑星系円盤では、結晶質シリケイトとしてはフォルステライト(Mg2SiO4)がエンスタタイトに比べて卓越していることが知られていた。今回の結果は、デブリ円盤におけるダストの生成過程が、これまで知られていたよりも複雑かつバラエティに富むものであることを示唆している。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)