Project/Area Number |
07J02999
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Hematology
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
細川 健太郎 Keio University, 医学部, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2007 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 細胞接着 / 細胞分裂 / 造血幹細胞 / ロッジング / 幹細胞制御 |
Research Abstract |
[研究成果と意義・重要性]本年度は、in vivoにおいて造血幹細胞(HSCs)の発現するN-cadを解析し、生理的条件下におけるN-cadを介した細胞接着が幹細胞の骨髄内局在等に与える影響を検討した。 HSCsにおけるN-cadの発現を確認するため、FACS解析及び、単一細胞レベルでの定量的PCR解析を行ったところ、N-cadの発現はLT-HSCsで特に高いことが分かった。次に、このN-cad陽性HSCsにおける長期骨髄再構築能について連続移植法を用いて検討した。N-cad陽性HSCsを移植した群は陰性群と比較して有意に高い生着率を示し、2次移植以降もその生着率が維持されたことから、N-cadを発現するHSCsが長期骨髄再構築能を持つ幹細胞であることが考えられた。一方で逆説的にN-cadの機能を検討するため、N-cad特異的なshRNAプラスミドベクターを用いてHSCsにおけるN-cadの発現を抑制した。この発現抑制したHSCsを骨髄移植して骨髄再構築能の比較を行ったところ、生着率は著しく低下することが分かった。この再構築能の低下の原因としてホーミングの異常が考えられたが、骨髄/肺臓へのホーミング自体に異常はなかった。しかし、骨近傍ニッチへの局在(ロッジング)を比較すると、N-cad発現抑制群においては有意にこれが少ないことが分かった。このことから幹細胞による骨髄再構築能を発揮するためには、骨近傍ニッチへのロッジングにN-cadが重要な役割を持つことが考えられた。本研究の成果は、骨髄内ニッチとHSCsとのN-cadを介した細胞接着により静止状態を制御する機構を明らかにするための手掛かりとなりうる。また本研究の知見から、in vivoにおけるN-cadの役割がニッチへのロッジングに特化していることが窺え、成体における幹細胞の接着や分裂に対する知見をさらに掘り下げたという点で、非常に意義深いと考えられる。
|