膜タンパク質の構造生物学:レチナール膜タンパク質ハロロドプシンの吸収波長制御機構
Project/Area Number |
07J03077
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久保 恵美 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 膜タンパク質 / 構造生物学 / ハロロドプシン / イオンポンプ / 光生物 / 吸収波長制御機構 / クロフイドイオン / 吸収波長制御 / クロライドイオン |
Research Abstract |
本研究は、膜タンパク質の機能・構造への理解を深めるために、モデルタンパク質として優れている高度好塩古細菌由来光駆動型Cl-ポンプハロロドプシン(NpHR)を用いて、以下の2つの研究を遂行した。 1、ハロロドプシンのCl-ポンプメカニズムと吸収波長制御機構の解明 NpHRは、分子内の発色団レチナールに由来する可視吸収を持つ。NpHRのCl-輸送は、発色団の光異性化により開始され、分子内におけるCl-の位置により特徴的な吸収波長を示す中間体を経由して基底状態に戻る一連の反応経路(フォトサイクル)を通る。NpHRのCl-取込みメカニズムの解明のために、取込み側膜貫通領域に唯一存在する塩基欧アミノ酸Arg123に注目し、分光学的及び電気化学的手法によりこの+電荷がCl-取込みに必須であることを明らかにし、その側鎖が大きく構造変化することによりCl-を分子内に取込むことを推定した(Kubo et al.,2009)。Transient grating法とFlash photolysis測定により、NpHRの1周数十ミリ秒のフォトサイクル反応においてスペクトル的にサイレントな拡散過程があることを初めて報告した(Inoue et al.,2009)。また、これらの実験に用いているNpHRが、安定な3量体を形成していることを明らかにした(Sasaki et al.,2009)。 2、ファラオニスハロロドプシン(NpHR)のX線結晶構造解析 NpHRの結晶構造を理解することは、Cl-輸送メカニズム解明や類縁膜タンパク質との比較研究にとって非常に意義深い。現在までに、蒸気拡散法により13,600条件の結晶化を試み、分解能8ÅのNpHR結晶を得ることに成功した。NpHRの結晶化には数か月かかるため、今後も観を続ける必要がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)