微小空間を活用した自己集合性球状錯体・オリゴマーの合成とその機能
Project/Area Number |
07J03078
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村瀬 隆史 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特任助教
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Project Period (FY) |
2007 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 自己集合 / 自己組織化 / 二重球 / パラジウム / ウイルス / キャプシド |
Research Abstract |
自然界では、イネ萎縮ウイルスのキャプシド構造に見られるように、二重の球殻構造をとることで、内部に包接されたRNAを外部の攻撃から防ぐ機構が存在する。本研究では、これまで誰も合成することができなかった二重殻構造をもつ自己集合性球状錯体を構築することを目的とした。 M_<12>L_<24>自己集合性球状錯体が有する、制限された微小ナノ空間を活用し、球状錯体の内部にもう一つ新たな球状錯体を合成することにより、二重球構築の検討を行った。球状錯体を構成する配位子を伸張して、球状骨格の拡張を行った。さらに、二重球を構築した際に2つの球どうしを相互作用させるために、配位子の内面修飾・表面修飾を行った。当初、2つの球どうしの相互作用として、フッ素-フッ素相互作用、静電相互作用を検討したが、合成した配位子の有機溶媒に対する溶解性が非常に低いため、二重球の構築は行えなかった。しかし、2つの球を構成する配位子の両者をオリゴエチレンオキシドリンカーで共有結合的に連結することにより、当初の目的であった二重球殻構造の構築に成功した。 二重球骨格の形状は、用いたリンカーの長さに依存し、トリエチレンオキシドリンカーの場合、対称的な二重球骨格、ジエチレンオキシドリンカーの場合、非対称なゆがんだ二重球骨格、モノエチレンオキシドリンカーの場合、球状錯体自体が形成しないことが分かった。金属と配位子の組成比を変えて錯形成を行ったところ、二重球骨格の外殻と内殻はどちらかが優先的に形成されるのではなく、同時に形成されることが分かった。24個の有機四座配位子と24個の硝酸パラジウムとの自己集合により形成された二重球殻構造の初の例である。
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Report
(1 results)
Research Products
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